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書籍レビュー/翻訳関係/etc.

木簡学会編『木簡から古代がみえる』:文化財としての使用済みトイレット・ペーパー

今日、1月24日は「木簡の日」である。少なくともそう呼ぼうという話がある( 奈良)1月24日を「木簡の日に」 初の発掘記念しPR:朝日新聞デジタル )。これは1961年の1月24日にはじめて木簡が発掘されたことに因んでいる。 たまたま、木簡学会が設立30…

渡邊恵太『融けるデザイン』:内容の前に

内容の前に、気になることがあったので指摘しておく。 この本をどれくらい真面目に読むべきなのかよくわからないが、ある程度読まれている本ではあるようだ。なので、重箱の隅をつつく物好きがいてもいいだろうと思う。ここで挙げるのは形式的な問題だが、形…

呉座勇一『一揆の原理』

苦役に苦しんだ農民が竹槍を手に支配層を襲う…というありがちな「一揆」のイメージを覆す本。筆者は1980年生まれの日本史学研究者で、本書は博論の書籍化ではなく最初から一般向けに構想された本である。そのため、おおまかなテーゼはたいへん分かりやすい。…